インフルエンザ 検査は時間をおいてから

寒くなり、インフルエンザの流行が気になる季節になってきました。

時々、インフルエンザの検査を受けた時、最初は陰性だったのに、翌日の再検査で陽性になったという話を聞くことがあります。

当院では迅速診断キットによる検査を行っています。これは、特に流行時期にはほとんどの内科などの医療機関にて行われておりますので、受けられたことのある方も多いと思います。
細い綿棒のようなもので、のどの奥や鼻の奥をこすり、そこについた組織や分泌物を処理液に浸して検査キットに滴下することで、陽性か陰性かの判定を行うものです。
検査時間は5~15分と非常に短く、また、患者さんにとっては、のどの奥や鼻の奥をこするときの痛みがありますが、非常に簡便で行いやすい検査です。

しかし一方で、インフルエンザウイルスの量がある一定以上に達していないと陽性と判定されにくい、という欠点があります。
インフルエンザに感染後、インフルエンザウイルスが体内で増殖するまでには、人によって差はありますが時間がかかります。つまり、症状出現から12~24時間経過してこの検査を行わないと、陰性という結果が出てしまうことがほとんどです。
一度医療機関でインフルエンザの検査を受けた時には陰性といわれ、後日再検査で陽性といわれた、という方は、多くがこのタイプの理由が多いかと思われます。

迅速診断キットによるインフルエンザの検査を受けるには、発症後12時間から48時間前後が最適と考えられています。
反対に、発症から3日以上経過してしまうと、ウイルス量が徐々に減少しはじめ、キットに反応しなくなってしまう可能性があります。

また、抗インフルエンザ薬は、インフルエンザに罹患後48時間以内に服用しないと効果が期待できません。十分な効果を発揮させる為にも、インフルエンザの陽性反応が1回目で出る事が望ましいです。
インフルエンザの検査を希望するのであれば、発熱などの症状が出て、半日以上経ってからの受診をおすすめします。